2016年5月23日月曜日

センサーサイズと焦点距離の関係

前回に続きセンサーのお話です。

前回の記事はこちらからどうぞ
ほてっぷブログ : デジタル一眼レフカメラ初心者のためのセンサーサイズのお話

今回はセンサーのサイズが変わるとなぜ、望遠撮影(遠くを写すこと)が有利になるのかというお話です。

まず基準はフルサイズセンサー(35mm判)が基準:1 とすると35mm判換算時の焦点距離は、
APS-C:1.5倍(キヤノンは1.6倍)
マイクロフォーサーズ:2倍
1インチセンサー:2.7倍     となります。



これだけでは意味がわからないと思うので、センサーサイズが変わると焦点距離を換算するのはなぜかというイメージ図を書いてみました。


焦点距離イメージ
カメラの中にいっぱい入ってるレンズからセンサーまでの距離を焦点距離と言います。
上のカメラのサイズをレンズそのままにセンサーを小さくしてみます。


紫色が小さくなったセンサーとセンサーから伸ばした線です。
撮影できる範囲が狭く(望遠に)なってるのがわかりますね。

このようにセンサーが小さくなることで、同じ焦点距離のレンズであっても写る範囲が狭くなってしまうのです。

レンズを選ぶ際の基準となる「写せる範囲」つまり「画角」はレンズの焦点距離が同じでもセンサーのサイズごとに異なってしまうので、35mmを基準にし表現してあげる必要があるのです。

例として50mmの焦点距離をフルサイズ/マイクロフォーサーズ/APS-Cに取り付けたときの換算は下記の通りです。

フルサイズ     :50mm     画角 約39度
APS-C        :75mm相当  画角 約26度
   (35mm換算1.5倍)
マイクロフォーサーズ :100mm相当   画角 約19度
   (35mm換算   2倍)

初心者向けによく「標準の画角は50mmだから50mmのレンズを買って練習だ!」と書いていますが、これを知らずにマイクロフォーサーズユーザーが50mmを買ってしまうと100mm相当のやや望遠のレンズになってしまうのです。
(マイクロフォーサーズの場合は50mm相当の画角を得るには、25mmのレンズを選ぶ必要があるのはご理解いただけるかと思います)

センサーサイズが小さくなることで、レンズの直径も小さくできさらに短い焦点距離も短くすることができるの結果としてレンズが小型・軽量になり、コストも抑えられます。





蛇足ですが、フルサイズがボケやすくセンサーが小さくなるとボケにくいというのがこの換算という表現のせいでもあります。

ボケというのは望遠(焦点距離が長く)であればあるほど表現しやすくなります。
他にも条件はありますが、また別の記事で。

ということは50mm相当の画角が欲しいのにAPS-Cでは焦点距離が35mm(換算50mm相当)のレンズを使うことになります。
焦点距離が短くなる=ボケが弱くなる ということですね。

勘違いされやすいのは焦点距離が同じレンズで撮影したときはセンサーサイズに関係なくフルサイズでもAPS-Cでもマイクロフォーサーズでもボケ具合は同じになります。

特にボケにくい広角〜標準域でボケ表現を使いたい場合にセンサーサイズが小さくなると不利になってしまいます。

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